
タミヤからミニクーパー関連が再販され、早速手に入れました。これがとても良い。個人的にも実車も好きだしキットも好きときてます。せっかくなので「何か別のミニ」をと・・・書きました。
そういえば、短期間だけ生産された車種があったなって・・・970Sだっけ。
ミニクーパーの車種って?
いわゆるクラシックミニは大きく前期後期に別れます。1971年に長い販売休止期間が始まりそこまで販売されたオースティン・モーリスを冠した初期型。休止ののち1990年から再販されたいわゆる後期タイプと、ものすごく大きく分かれます。タミヤのキットはここでいう前期にあたります。
最初のMini Cooperは「997」で1961~1964年に製造。次世代は「998」で1963~1967年と若干かぶって製造されています。63年11月に「998」が発表され64年1月に本格的な「997」からの置き換えを開始、同年初頭に「997」は生産終了。そして「998Mk.I」は67年9月まで生産されます。
この「997」と「998」は「たった1ccでモデルチェンジ?」でもなかったようです。ボアを約2mm大きくして、その分ストロークを81.3から76.2mmに短くしました。これによって「滑らかで回転のあげやすい(当時解説)」エンジンに変わったとのこと。トルク自体も低回転域でアップ、しかも他車種にすでに搭載されたエンジン(つまりエンジン改良ではなく乗せ替え)だったため整理もしやすいということだったようです。

Mk.I Sの登場
1963年最初のクーパーSが「1071」で始まります。その後1964年にはキットの「1275S」と「970S」が登場。このMini Cooper 970Sは、1964年の1,000cc以下競技クラス参戦を目的に作られた、Mk1 Cooper Sのホモロゲーション仕様です。最大の特徴は、998cc Cooperを少し強化したエンジンではなく、1275 Cooper S系と同じ70.6mmの大径ボアに、わずか61.91mmの超ショートストローク・クランクを組み合わせた専用970ccエンジンでした。そういう意味では、単純に「Sのエンジンの排気量を削った廉価版ではなく1000cc以下で戦うための専用ショートストロークSエンジン」ですね。
Mini Cooper Registerによれば、「970S」は1964年4月から競技使用が認められ、量産開始は6月。しかし専用クランクシャフトの不足により、7月末までに完成したのはわずか24台だったとされます。
元BMCワークス・ドライバーのJohn Gottが「このままでは公認を取り消される」とBMCへ警告した、という話も残っています。
970Sの実績 970SでETCCを制覇

よくある「Banksが970SでETCCを制覇した」という説明は、やや省略されています。細かく記載すると「Banksはシーズンの大部分を1,000cc以下クラスの970Sで戦って得点を稼ぎ、最終戦では1,300cc級のMini Cooper Sを使用して、年間総合タイトルを獲得した」が正しいようです。
1964年の正式名称は「European Touring Car Challenge」。現在は通常、後年とまとめてETCC/European Touring Car Championshipと呼ばれています。1964年ETCC開催記録
現在のツーリングカー選手権と大きく異なるのは、排気量別の9クラスに分かれていたこと。700cc以下のClass1から始まり4000cc超のClass9まであり、64年ではこの9クラスを通じて年間総合王者が選ばれました。点数制で各戦の順位で獲得する方式でした。Warwick Banksは66点、二位に5点差をつけての総合を獲得。クラス優勝9回、クラス3位1回、無得点1戦での勝利でした。そういう意味では「970S」で優勝ではなく「970Sを主力」で優勝だったようですね。(調べてみると970Sで59点を獲得、最終戦で1293のクーパーSで7点を獲得で優勝を決めました)
970Sの実践 1964年スパ24時間クラス優勝
1964年のスパ24時間ではPaddy Hopkirk/Julien Vernaeve組のMorris Mini Cooper S 970が1,000ccクラスを制し、総合13位に入っています。
ゼッケン504の970Sは232周を走破。総合優勝したMercedes-Benz 300SEの281周には及びませんが、14kmを超える当時のスパ・フランコルシャンを、小さな970Sで24時間走り切ってクラス優勝したわけです。
当時のスパは現在よりはるかに長い約14kmのコース。単純計算でも3,200km以上を走ったことになります。最高速で勝負する車ではない970Sにとって、これはなかなか大きな実績だったんじゃないでしょうか。
1年経たずに終了
翌年1965年4月には生産終了し、わずか963台(1000台とも)で終わりました。その後67年には「MkII」が登場し「Mk.I」は生産を終了していきます。その後「Mk.III」へ、再販されるローバーミニへ変わっていきます。「970S」は異質であり、なかなかロマン溢れる車種ではありませんか。
模型的なハードルが高すぎる件
というかですね 実車にしても同じなのです。この車は「外見から判別ができません」
見た目は「Mk.I S」と変わりません。エンジンの型番や製造番号から判断したり、最終的にエンジンをバラしてボアストロークを測って確認した車体もありました。
英国車好きの方はご存知なHeritage Certificate。オークションでもこの書類があるよというだけで「かなり」信憑性がでてきます。British Motor Museum内のBritish Motor Industry Heritage Trustが保管する、BMCなどの当時の工場台帳をもとに発行され、記録が残っていれば、製造日と工場出荷日、車台番号、出荷時のエンジン番号・ボディ番号に新車時の車体色とルーフ色や内装色、工場装着オプションまで記載されます。ただし現車を確認して保証するわけではありません。「重要な情報」という位置付けですね。それだけ旧車の車種確認は難航するしろものですって話なんですが・・・
とここまで書いておいてなのですが 「よし970S仕様をつくるぞ」といっても「見た目は変わらんなぁ」となるのをここまで調べていて気がつきました。
結果発表
まぁ気持ちは「970S」を作ります。そう「気持ち」はね。所詮プラモデルなので私が言い切れば「970S」なんですよ・・・そういうオチでした。

そうそう、グランツーリスモ7にこの「970S」が出てます。車名はミニCooper ‘S’ ’65。「ミニの優れたハンドリングを生かすために、BMCことブリティッシュモーターコーポレションが、F1コンストラクターを率いるジョン・クーパーと共同開発したスポーツモデル。970 ‘S’はレースのクラス分けに適合させるため排気量を970 ccに調整したモデルで、標準型848 ccエンジンの34 PSに対して66 PSを発揮。963台のみが作られ、ツーリングカーレースなどで大活躍を収めた。(公式サイトより)」
こんなところでも出てくるとは・・・タコメーターなんかもついてます。タイヤもちょっと太めでタンクも両サイドについてますから・・・まぁオプション装着車ですね。
余談:GT7ではシビックタイプRのエンジンが乗せられます。500馬力です。オーバーフェンダーをくっつけて極太タイヤに車重600Kgのとんでもないミニがつくれますよ。

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